2013年7月19日金曜日

寸法記入 / 線分系作図マクロを作る (AutoCAD LT プルダウンメニューの作成)

前回に引き続き、AutoCAD LT のプルダウンメニューに独自の項目を追加していきます。

今回はAutoCAD LT に「寸法記入」、「線分系」の項目を追加していきます。


◆ 「寸法記入」メニューを作る

 「寸法記入」 ・・・ 「水平・垂直 長さ寸法直列記入」、「平行寸法直列記入」等をオプション入力             なしで記入できる機能を追加します。



リボンタブの「管理」タブをクリックし、「カスタマイズ」から「ユーザインタフェース」をクリックします。「ユーザインタフェースをカスタマイズ」のダイアログが表示されます。

前回作成した部分メニュー、「MYTOOL」を右クリックし、「新規サブメニュー」を実行します。

作成されたサブメニューの名前を 「寸法記入」 とします。




「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を 「水平・垂直 長さ寸法直列記入」 とします。

続いて、マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),DIM),,layer;M;DIM;C;1;;;)_dimlinear;\\\_dimcontinue;

このマクロで、画層「DIM」に水平または垂直の長さ寸法を連続して直列記入します。説明欄には次のようなメモ書きすると良いでしょう。

・「長さ寸法を水平または垂直に記入し、連続して直列寸法を記入」

左下「コマンド」欄の「長さ寸法直列記入」を右クリックし、「コピー」を実行します。

引き続き、左上の 「部分カスタマイズ ファイル」 > 「MYTOOL」 > 「メニュー」 > 「MyTool」 > 「寸法記入」  の位置に貼付けます。


更に、「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「平行寸法直列記入」とします。

続いて、マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),DIM),,-layer;M;DIM;C;1;;;)_dimaligned;\\\_dimcontinue;


このマクロで、画層「DIM」に平行寸法を連続して直列記入します。(\は入力を待ちます)説明欄には次のように記述しましょう。

・「寸法を指示2点間に対し平行に記入し、連続して直列寸法を記入」

同様に、「平行寸法直列記入」を「コピー」し、「寸法記入」 の位置に貼付けます。





◆ 「線分系」メニューを作る

 「線分系」 ・・・  「振分線分」(既存の線分から指定の距離で両側に振り分けた線分を作成)
            「中間点通過線分」(指示2点間の中点に、最初の点上にある線分を作成)                          などの線分作図機能を追加

続いて、線分系のコマンドを定義してみましょう。

引き続き、「MYTOOL」を右クリックし、「新規サブメニュー」を実行します。

作成されたサブメニューの名前を 「線分系」 とします。




「新規コマンド」のボタンから新たなコマンドを作成し、名前を「振分線分」とします。


マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。


^C^C_setvar;ucsicon;0;_offsetdist;\select;single;\dist;_none;@;_per;@;ucs;3;_none;$M=$(getvar,lastpoint);_per;@;;_pickbox;1;_offset;;$(getvar,distance),0;_none;0,0;;_chprop;L;;la;$M=$(getvar,clayer);;_erase;_l;;_offset;;$(getvar,distance),0;_none;$(*,2,$(getvar,distance)),0;;_chprop;L;;la;$M=$(getvar,clayer);;_oops;_pickbox;$(getvar,pickbox);_ucs;_p;

このマクロで、指示線分の両側に指定幅の平行線分を振り分けて作成します。

説明欄は、「指示線分の両サイドに振分線分を作成」とします。

左下「コマンド」欄の「振分線分」を右クリックし、「コピー」して、左上の「部分カスタマイズ ファイル」 > 「MYTOOL」 > 「メニュー」 > 「MyTool」 > 「線分系」  の位置に貼付けます。




更に、「新規コマンド」のボタンから新たなコマンドを作成し、名前を「中間点通過線分」とします。

マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C_snapbase;\_line;$M=$(getvar,snapbase);_per;\;_osmode;640;__dist;$M=$(getvar,snapbase);"$M=$(getvar,lastpoint)";_erase;L;;_offset;"""""""$M=$(/,$(getvar,distance),2.0)""""""";"""$M=$(getvar,snapbase)""";"""""$M=$(getvar,lastpoint)""""";;_osmode;$(getvar,osmode);

このマクロで、指示2点間の中点に、最初の点上にある線分を複写します。

説明欄は、「最初の指示点上にある線分を、次の指示平行線分上の点との中間に複写」とします。

同様に、「中間点通過線分」をコピーし、「線分系」 の位置に貼付けます。


もう一つ、「新規コマンド」のボタンから新たなコマンドを作成し、名前を「矢印線分」とします。

マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。


^C^C_snapbase;\_line;$M=$(getvar,snapbase);\;-insert;ARROWHED;"$M=$(getvar,snapbase)";"$M=$(getvar,userr1)";;"$M=$(getvar,lastpoint)";

このマクロで、2点間に線分を作成し、最初の点上に矢印のブロックを挿入します。

説明欄は、「矢印付の線分を作成」とします。上記と同様に、「線分系」 の位置に貼付けます。

但し、 ARROWHED.DWG というブロックがパス設定フォルダ上に存在することが条件です。




左上の「ワークスペース」欄の「AutoCAD LT クラシック」をクリックし、右上の「ワークスペース」欄の「メニュー」に 「MyTool(グループ:MYTOOL)」 が追加されていることを確認します。




一旦ここで、カスタマイズを保存しましょう。まず、[適用(A)]ボタンをクリックし、カスタマイズ実行を待ちます。

引き続き、[OK(O)]ボタンをクリックしダイアログボックスを閉じます。


◆ 使ってみましょう

プルダウンメニューへの項目の追加はひとまずここで完成です。

AutoCAD LTの作図画面で、ワークスペースを「AutoCAD LTクラシック」に設定します。

プルダウンメニューの右端に「MyTool」が追加されていることが確認できるでしょう。
前回作成した 「初期設定」 と併せて 「寸法記入」「線分系」 を使ってみましょう。




プルダウンメニューの「MyTool」からサブメニューをクリックして、それぞれのコマンドを実行することになります。

MyTool」をクリックし、 「初期設定」 の 「初期設定 A-S100」 をクリックすると、必要なシステム変数を所定の値に設定すると共に用紙の領域がポリラインで作成されます。

「初期設定」の各サブメニューからも同様の処理が実行できます。


また同様に、「MyTool」をクリックし、 「寸法記入」 のフライアウトから 「水平・垂直 長さ寸法直列記入」 をクリックすると、指示2点間に水平または垂直の長さ寸法を記入し、更に次の点を指示する都度連続して直列の寸法を記入します。

更に、 「平行寸法直列記入」 も同様に、連続して直列の寸法が作成できます。


「線分系」 のフライアウトから 「振分線分」 をクリックすると、振り分ける幅の入力を待ち、次に指示する線分を両側に振り分けた位置に複写します。

「中間点通過線分」は、指示2点間の中点に、最初の点上にある線分を複写します。

「矢印線分」は、指示2点間に線分を作成し、最初の点上に矢印のブロックを挿入します。 


プルダウンメニュー「MyTool」はこれで完成です。
各マクロの動作を一つづつ試してみて下さい。 

今回は、マクロをプルダウンメニューへ貼付けましたが、ツールバーやリボンにアイコンを追加して同様に貼付けることも可能です。
その際はアイコン(.bmp)を作成する必要がありますが、これもまた機会を改めてご説明していきます。

次回は今回追加した 「寸法記入」、「線分系」 の各マクロの意味を解説していきます。
次回更新は 7月26日(金)を予定しています。

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