2013年8月30日金曜日

イメージタイルメニューの表示(AutoCAD LTでの利用)

前回に引き続き、今度はそれぞれのイメージタイルメニューを表示させるコマンドを定義しましょう。

◆ イメージタイルメニューの表示

AutoCADのコマンドライン上で CUI + Enterキー と入力し、メニューのカスタマイズを始めます。

「部分カスタマイズファイル」の「MYTOOL」から「メニュー」の「MyTool」を右クリック」(*1)し、「新規サブメニュー」を作成します。そのサブメニューの名前を「ブロック挿入」とします。

CaLT_Menu_I1
CaLT_Menu_I2

*1 ・・・ 「MYTOOL」、「MyTool」は 2013年7月5日金曜日 更新の
縮尺・用紙サイズ設定のメニュー作成(AutoCAD LT プルダウンメニューの作成)
の回の「◆ 部分メニューを作る」 で作成しました。


続いてコマンドを作成しメニューに加えてゆきます。

「新規コマンド」のボタンをクリックします。
右側の「プロパティ」欄で、名前を「ブロック挿入 便器」とします。

CaLT_Menu_I3_1
続いて、マクロ欄の右端のボタンをクリックして新たなダイアログで下記の入力をします。(改行は入りません)

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),PLB),,-layer;M;PLB;C;6;;;)$i=MYTOOL.IMAGE_TOILET;$i=*;

説明欄には「イメージタイルメニューで選択する便器ブロックを挿入」と入力しましょう。

CaLT_Menu_I3_2

左下の「コマンド」欄に「ブロック挿入 便器」ができます。

「コマンド」欄の「ブロック挿入 便器」をコピーし、「MYTOOL」>「メニュー」>「MyTool」>「ブロック挿入」欄に貼付けます。

CaLT_Menu_I3_3

CaLT_Menu_I3_4

もうひとつ新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「ブロック挿入 洗面器」とします。
続いて、マクロ欄の右端のボタンをクリックして新たなダイアログで下記の入力をします。(改行は入りません)

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),PLB),,-layer;M;PLB;C;6;;;)$i=MYTOOL.IMAGE_WASHBOWL;$i=*;

説明欄には「イメージタイルメニューで選択する洗面器ブロックを挿入」と入力しましょう。
上記と同様に、「ブロック挿入 洗面器」をコピーし、「ブロック挿入」欄に貼付けます。

CaLT_Menu_I3_5

ここで、一旦CUIを閉じましょう。
[適用(A)]ボタンでカスタマイズを実行し、[OK(O)]ボタンで閉じます。

MyBrock.mnuファイルに記述した内容は、MyTool.cuix ファイルにイメージタイルメニューとして組み込まれたので、MyBrock.mnuファイルをアンロ-ドしましょう。

AutoCADのコマンドライン上で、MENULOAD + Enterキー とキーボード入力をします。
ダイアログボックスで「ロード済みのカスタマイズ グループ」欄の「MYBLOCK」を選択し、[ロード解除(U)]ボタンをクリックします。

続いて[閉じる(C)ボタンでダイアログを終了させます。

CaLT_MenuUnload1
 CaLT_MenuUnload2

それでは、イメージタイルメニューを活用した処理を確認しておきましょう。

プルダウンメニューの「MyTool」から「ブロック挿入」の「ブロック挿入 便器」や「ブロック挿入 洗面器」をクリックすると、それぞれのイメージタイルメニューが表示されます。

MyTool_ImageTileToiletMyTool_ImageTileWashBowl

イメージタイルメニューの左側のリスト、または右側のスライドの何れかを選択し、[OK]ボタンをクリックします。

その後は、コマンドラインのメッセージに従って、挿入基点と挿入角度を画面上で指示すれば、目的のブロックが挿入されます。

イメージタイルメニューからの挿入が可能になるブロックは、最初に記述した通り、パスの通っているフォルダにブロックおよびスライドが存在していることが条件です。

メージタイルメニューの項目が多くなった場合、リスト部分はスクローリングリスト化され、スライド表示部分は[次]ボタンと[前]ボタンによるページ切り替えが可能になります。


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イメージタイルメニューは弊社開発ツール『CustomARCH LT』(「AutoCAD LT」 対応の建築・設備設計支援ツール)でも多用されています。

例としてご紹介しましょう。

建築用の一般的ブロックとして、便器、洗面器、浴室・浴槽、厨房器具、家具、点景、エレベータなどがあります。

Ca_ImageTile1Ca_ImageTile2

その他に、ダイナミックブロックとして登録してあるサッシや木製建具の平面、断面、立面、展開などもイメージタイルメニューから挿入することにしています。

Ca_ImageTile_SashP Ca_ImageTile_SashE

更に、CustomARCH LT では電設版も準備されており、照明器具やコンセントなどの設備用シンボルがイメージタイルから挿入できます。

Ca_Ribbon3

蛍光灯、白熱灯、コンセント、スイッチ、電話、テレビ、拡声・インターホン、警報・呼出、時計、駐車場管制、自火報、非常警報、消火設備、自動閉鎖、ガス漏れ警報、無線通信、監視カメラ、機械警報、避雷設備等々のグループ化されたイメージメニュータイルメニューで構成されています。

ブロック挿入には、イメージメニュータイルメニューが非常に便利です。

製品詳細については下記でご紹介しています。

CustomARCH LT 建築

CustomARCH LT 電気設備


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次回更新は 8月30日(金)を予定しています。

2013年8月23日金曜日

イメージタイルメニューの活用(AutoCAD LTでの利用)

今回からは、ブロックをイメージタイルメニューのスライドから選択し、挿入するメニューの作成手法を学びます。

 


◆ ブロックとスライドの準備

まずイメージタイルメニューに登録するブロックとスライドが必要となります。

今回はTOTOのサイトから便器と洗面器のCADデータをダウンロードし、リネームしたブロックとスライドを用いた事例で説明します。

以下のサイトからデータをダウンロードします。

COM-ET CADデータダウンロードコーナー

今回ダウンロードし、リネーム保存したファイルは次の通りです。

CES9786 ハイブリッドシリージAHタイプ壁付
CES9422 ウォシュレット一体形便器壁付
CES9312 ウォシュレット一体形便器壁付
CS670  腰掛式タンク密結形防露便器
TYL100  オートボール 自動洗面器
LS910   ハイクォリティ小型洗面器
LS911   ハイクォリティ大型洗面器
LS800   壁掛自動洗面器
L250   壁掛洗面器


スライドは MSLIDE コマンドを実行して作成します。

[参考] スライドを作成するには(AutoCADヘルプより抜粋)

1. スライドに使用する図面のビューを表示します。

2. コマンド プロンプトに対して、mslide と入力します。

3. [スライド ファイルを作成]ダイアログ ボックスで、スライドの名前と場所を指定します。
   図面名がスライドの既定の名前になり、自動的にファイル拡張子.sld が追加されます。

4. [保存]をクリックします。
   現在の図面は表示された状態のまま、指定したフォルダにスライド ファイルが保存されます。

作成したCES9786,,,,L250の各ブロックとスライドは、以前に作成した以下のメニューのフォルダに保管してください。

C:\Users\username\appdata\Local\MyTool\username 部分は、各自のログイン名です。


◆ MyBlock.mnu の作成からイメージタイルメニューへ

次に、旧形式のイメージタイルメニューを作成する準備をします。

まず、「メモ帳」などのテキストエディタで新しいファイルを開きます。
ファイルに、下記のような記述をします。


***MENUGROUP=MYBLOCK

***IMAGE
**IMAGE_TOILET
[便器]
[(CES9786,ハイブリッドシリージAHタイプ壁付 CES9786)]^C^C-insert;CES9786;\1;1;
[(CES9422,ウォシュレット一体形便器壁付 CES9422)]^C^C-insert;CES9422;\1;1;
[(CES9312,ウォシュレット一体形便器壁付 CES9312)]^C^C-insert;CES9312;\1;1;
[(CS670,腰掛式タンク密結形防露便器 CS670)]^C^C-insert;CS670;\1;1;


***IMAGE_WASHBOWL
[洗面器]
[(TYL100,オートボール 自動洗面器 TYL100)]^C^C-insert;TYL100;\1;1;
[(LS910,ハイクォリティ小型洗面器 LS910)]^C^C-insert;LS910;\1;1;
[(LS911,ハイクォリティ大型洗面器 LS911)]^C^C-insert;LS911;\1;1;
[(LS800,壁掛自動洗面器 LS800)]^C^C-insert;LS800;\1;1;
[(L250,壁掛洗面器 L250)]^C^C-insert;L250;\1;1;



必用に応じて、上記書式で更なるイメージメニューとコマンドのラインを追加しましょう。
このファイルを、メニューのフォルダ(C:\Users\username\appdata\Local\MyTool\)に、MyBlock.mnu の名前で保管してください。

引き続き、AutoCADのコマンドライン上で MENULOAD + Enterキー とキーボード入力をしてください。

表示されたダイアログボックスの[参照(W)]をクリックし、次のファイルを検索・指定します。

C:\Users\username\appdata\Local\MyTool\MyBlock.mnu

検索時に、[ファイルの種類(T)]欄を「旧形式のメニューファイル(*.mns *.mnu)」とします。

CaLT_MenuLoad1

ファイルを選択したら、[開く(O)]ボタンをクリックします。
前のダイアログボックスに戻り、[ロード(L)]ボタンをクリックします。
ロードが完了したら、[閉じる(C)]ボタンで終了させます。

CaLT_MenuLoad2_1

次に、イメージタイルメニューの作成にかかります。
AutoCADのコマンドライン上で CUI + Enterキー と入力し、メニューのカスタマイズを始めます。

まず、「部分カスタマイズファイル」の「MYTOOL」から「旧形式」の「イメージタイルメニュー」をクリックして、表示しておきます。

CaLT_ImgMnu1

この部分に外部ファイル(MyBlock.mnu)で記述した構文を移植しようとするからです。

次に、「部分カスタマイズファイル」の「MYBLOCK」を選択し、「旧形式」の「イメージタイルメニュー」をクリックします。

CaLT_ImgMnu2

これは、先程エディタで作成したファイルによるメニューです。
ここで、その部分に存在する「便器」を右クリックし「コピー」を実行します。

CaLT_ImgMnu3

そして、開いている「MYTOOL」の「旧形式」の「イメージタイルメニュー」欄に貼付けます。

CaLT_ImgMnu4

「MYTOOL」>「旧形式」>「イメージタイルメニュー」の下に「便器」のメニューが作成されたことを確認しましょう。

CaLT_ImgMnu5

全く同様に、「MYBLOCK」>「旧形式」>「イメージタイルメニュー」>「洗面器」をコピーして、「MYTOOL」の「旧形式」の「イメージタイルメニュー」欄に貼付けます。

これで2つのイメージタイルメニューが「MYTOOL」のメニューに組み込まれたことになります。

CaLT_ImgMnu6

イメージタイルメニューは、旧形式のタイルなので、今のバージョンのAutoCADのCUIのダイアログボックスの中ではタイルメニューおよびコマンドの追加手順が煩雑です。
そのために、一度外部ファイル(MyBlock.mnu)として作成してからロードして追加する手法を学びました。

イメージメニューやコマンドのラインを更に追加する場合は、上記の方法と同様に別の小メニュー(.mnuまたは.mns)を外部ファイルとして作成し、読込んだ上でコピー・貼付けにより付加する手法が良いでしょう。
その際、各コマンドのライン単位でのコピー・貼付けも可能です。

CUIのダイアログボックスでイメージメニューやコマンドのラインを追加する手法についても勉強してゆきましょう。

まず、イメージタイルの追加用メニューファイル(ここでは MyBlock.mnu)のどれかのタイルメニューを右クリックし「複製」を作成します。
「プロパティ」欄で必要事項を修正します。

CaLT_ImgMnu7_1

修正が加えられたコマンド欄をコピーし、「MYTOOL」の「旧形式」>「イメージタイルメニュー」の所定のタイルメニュー欄に上書きします。

CaLT_ImgMnu7_2

つまり、別の小メニュー(.mnuまたは.mns)を利用することがコツです。

直接「MYTOOL」の「旧形式」>「イメージタイルメニュー」で複製を作成して編集すると、複製元のプロパティも同時に更新されてしまいます。

一旦ここで、カスタマイズを保存しましょう。まず、[適用(A)]ボタンをクリックし、カスタマイズ実行を待ちます。
引き続き、[OK(O)]ボタンをクリックしダイアログボックスを閉じます。

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次回はそれぞれのイメージタイルメニューを表示させるコマンドを定義していきます。
次回更新は 8月30日(金)を予定しています。

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メニューカスタマイズのノウハウを駆使して開発した「AutoCAD LT」 対応の建築・設備設計支援ツール『CustomARCH LT』がAutoCAD LT 2014に対応致しました。

製品詳細については下記でご紹介しています。

CustomARCH LT 建築

CustomARCH LT 電気設備

2013年8月9日金曜日

寸法記入 / 線分系作図マクロを作る (IJCAD プルダウンメニューの作成)

今回も引き続き、IJCAD 2013 (IntelliJAPAN社製) をベースにして「寸法記入」、「線分系」のメニューを作成していきます。

IJCADでのここまでの準備については、 メニュー作成の準備 の ◆   IJCAD (LT)の準備 の項目をご参照ください。

IJCAD 2013に「寸法記入」の項目を追加していきます。
説明はIJCAD 2013 ( STD / PRO )を基準にしていますが、IJCAD LT 2013 でもほぼ同じ手順でカスタマイズできます。

◆ 「寸法記入」メニューを作る

リボンメニューの「管理」タブをクリックし、「カスタマイズ」から「ユーザインタフェース」をクリックします。
「ユーザインタフェースをカスタマイズ」のダイアログが表示されます。

前回作成した「MyTool」を右クリックし、「新規作成」>「サブメニュー」を実行します。

IJiD_Menu2

作成されたサブメニューの名前を「寸法記入」とします。

IJiD_Menu7

次に、「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「水平・垂直 長さ寸法直列記入」とします。

続いて、マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),DIM),,-layer;M;DIM;C;1;;;)_dimlinear;\\\_dimcontinue;

「$M=$(」で始まる式がDIESELといわれる言語の式です。
以前に解説した「DIESEL式のマクロ(縮尺・用紙サイズ設定)」「DIESEL式のマクロ(寸法記入 / 線分系作図)」 の回などを参考にして下さい。

「\」は、入力を待ちます。

説明欄は、「長さ寸法を水平または垂直に記入し、連続して直列寸法を記入」とします。

左下「コマンド」欄の「長さ寸法直列記入」を右クリックし、「コピー」を実行します。

次に、左上の「部分CUIファイル」>「MYTOOL」>「メニュー」>「MyTool」>「寸法記入」 の位置に貼付けます。

IJiD_Menu8

更に、「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「平行寸法直列記入」とします。
続いて、マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C$M=$(if,$(eq,$(getvar,clayer),DIM),,-layer;M;DIM;C;1;;;)_dimaligned;\\\_dimcontinue;

説明欄は、「寸法を指示2点間に対し平行に記入し、連続して直列寸法を記入」としましょう。

左下「コマンド」欄の「平行寸法直列記入」を右クリックし、「コピー」を実行します。
前記と同様に、「寸法記入」 の位置に貼付けます。

IJiD_Menu8_2

 

◆ 「線分系」メニューを作る

続いては、線分系のコマンドを定義してみましょう。

「MyTool」を右クリックし、「新規作成」>「サブメニュー」を実行して、作成されたサブメニューの名前を「線分系」とします。

IJiD_Menu2 IJiD_Menu9

「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「振分線分」とします。
マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C_setvar;ucsicon;0;_offsetdist;\select;single;\dist;_none;@;_per;@;ucs;3;_none;$M=$(getvar,lastpoint);_per;@;;_pickbox;1;_offset;;$(getvar,distance),0;_none;0,0;;_chprop;L;;la;$M=$(getvar,clayer);;_erase;_l;;_offset;;$(getvar,distance),0;_none;$(*,2,$(getvar,distance)),0;;_chprop;L;;la;$M=$(getvar,clayer);;_oops;_pickbox;$(getvar,pickbox);_ucs;_p;

説明欄は、「指示線分の両サイドに振分線分を作成」とします。

次に、左下の「コマンドリスト」に作成された「振分線分」をコピーし、左上の「部分CUIファイル」>「MYTOOL」>「メニュー」>「MyTool」>「線分系」の位置に貼付けます。

IJiD_Menu10

更に、「新規コマンド」のボタンから新たなコマンドを作成し、名前を「中間点通過線分」とします。
マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C_snapbase;\_line;$M=$(getvar,snapbase);_per;\;_osmode;640;__dist;$M=$(getvar,snapbase);"$M=$(getvar,lastpoint)";_erase;L;;_offset;"""""""$M=$(/,$(getvar,distance),2.0)""""""";"""$M=$(getvar,snapbase)""";"""""$M=$(getvar,lastpoint)""""";;_osmode;$(getvar,osmode);

このマクロで、指示2点間の中点に、最初の点上にある線分を複写します。

説明欄は、「最初の指示点上にある線分を、次の指示平行線分上の点との中間に複写」とします。

上記と同様に、「中間点通過線分」をコピーし、「線分系」の位置へ貼付けます。

更に、「新規コマンド」のボタンから新たなコマンドを作成し、名前を「矢印線分」とします。
マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C_snapbase;\_line;$M=$(getvar,snapbase);\;-insert;ARROWHED;"$M=$(getvar,snapbase)";"$M=$(getvar,userr1)";;"$M=$(getvar,lastpoint)";

説明欄は、「矢印付の線分を作成」とします。

同様に、「矢印線分」をコピーし、「線分系」の位置へ貼付けます。
但し、ARROWHED.DWGというブロックがパス設定フォルダ上に存在することが条件です。

PdMenu_Line_IJ

ここで、カスタマイズを保存しましょう。

まず、[適用]ボタンをクリックし、カスタマイズ実行を待ちます。
引き続き、[OK]ボタンをクリックし、ダイアログボックスを閉じます。

IJCAD 作図画面右上の「スタイル」のプルダウンで「メインメニューとリボン表示」または「クラシックインターフェース」に設定します。
プルダウンメニューの右端に「MyTool」が追加されていることが確認できるでしょう。

PdMenu_Show1_IJ

プルダウンメニューの「MyTool」からサブメニューをクリックして、それぞれのコマンドを実行することになります。

PdMenu_Show2_IJ

「MyTool」をクリックし、「初期設定」の「初期設定 A2-S100」をクリックすると、必要なシステム変数を所定の値に設定すると共に用紙の領域がポリラインで作成されます。

「初期設定」の各サブメニューからも同様の処理が実行できます。

また同様に、「MyTool」をクリックし、「寸法記入」のフライアウトから「水平・垂直 長さ寸法直列記入」をクリックすると、指示2点間に水平または垂直の長さ寸法を記入し、更に次の点を指示する都度連続して直列の寸法を記入します。
更に、「平行寸法直列記入」も同様に、連続して直列の寸法が作成できます。

「線分系」のフライアウトから「振分線分」をクリックすると、振り分ける幅の入力を待ち、次に指示する線分を両側に振り分けた位置に複写します。
「中間点通過線分」は、指示2点間の中点に、最初の点上にある線分を複写します。
「矢印線分」は、指示2点間に線分を作成し、最初の点上に矢印のブロックを挿入します。

新規に作成されたプルダウンメニュー「MyTool」がどのように表示され、どのように活用できるかご理解いただけたでしょうか。

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本ブログはお盆休みの為一週間のお休みを頂き、次回更新は8月23日(金)を予定しています。


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メニューカスタマイズのノウハウを駆使して開発した「AutoCAD LT」 対応の建築・設備設計支援ツール『CustomARCH LT』がAutoCAD LT 2014に対応致しました。
製品詳細については下記でご紹介しています。

CustomARCH LT 建築

CustomARCH LT 電気設備

2013年8月2日金曜日

縮尺・用紙サイズ設定のメニュー作成 (IJCAD プルダウンメニューの作成)

これまで4回に亘ってAutoCAD LT のプルダウンメニューのカスタマイズを扱ってきましたが、同様のカスタマイズは各種Dwg互換CAD上でも可能です。
今回はIJCAD 2013 (IntelliJAPAN社製) をベースにして、「縮尺・用紙サイズ設定」のメニューを作成していきましょう。

IJCADでのここまでの準備については、 メニュー作成の準備 の ◆   IJCAD (LT)の準備 の項目をご参照ください。

IJCAD 2013に「初期設定」の項目を追加していきます。
説明はIJCAD 2013 ( STD / PRO )を基準にしていますが、IJCAD LT 2013 でもほぼ同じ手順でカスタマイズできます。
◆ IJACDの部分メニューを作る
リボンメニューの「管理」タブをクリックし、「カスタマイズ」から「ユーザインタフェース」をクリックします。
「ユーザインタフェースをカスタマイズ」のダイアログが表示されます。
AutoCAD LTの時と同様、最初にDIESEL式でオリジナル機能を追加する部分を、部分メニューとして追加します。
これは、後からCADをバージョンアップしたとき等に、作成したものを無駄にせず持ち出せるようにする為です。

「ユーザインタフェース」を実行し、追加されたメニュー(MyMenu1:一番下に追加されています))の名前を「MyTool」と変更します。

「メニュー」欄には既存の「マイメニュー(Z)」があります。
「プロパティ」欄の「別名」を POP12と更新しておきましょう。

次に、もう一つの新規メニューを追加します。

「メニュー」にカーソルを合わせ、右クリックして 「新規作成」 > 「メニュー」を実行します。
作成された新しいメニューの名前を 「MyTool」 とし、「プロパティ」欄の「別名」を POP13 と更新します。

IJiD_Menu1

「MyTool」を右クリックし、「新規作成」 > 「サブメニュー」を実行します。
作成されたサブメニューの名前を「初期設定」とします。

IJiD_Menu2 IJiD_Menu3
◆ マクロの入力
引き続き、コマンドを作成して「初期設定」のサブメニューに貼付けてゆきます。

「新規コマンド」のボタンをクリックし、新たなコマンドを作成します。

右側の「プロパティ」欄で、名前を「初期設定 A1-S100」とします。

続いて、マクロ欄の右端ボタンをクリックし、新たなダイアログで下記の入力をします。

^C^C_LIMITS;0,0;84100,59400;_rectang;0,0;84100,59400;_setvar;dimscale;100;;textsize;300;;ltscale;100;;userr1;100;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

このマクロで、システム変数の limmin, limmax, dimscale, textsize, ltscale, userr1 の値が設定され、Defpoints 画層に作図領域のポリラインが作成されます。

説明欄には、「縮尺が1/100で作図領域がA1の初期設定をします」と入力しましょう。

IJiD_Menu4_1

IJiD_Menu4_2

左下の「コマンド」欄に「初期設定 A1-S100」ができます。

「コマンド」欄の「初期設定 A1-S100」を右クリックし、「コピー」を実行します。
次に、左上の「部分CUIファイル」 > 「MYTOOL」 > 「メニュー」 > 「MyTool」 > 「初期設定」 の位置に貼付けます。

IJiD_Menu5_1

IJiD_Menu5_2

同様に、通常使う用紙サイズと縮尺の組合せによるコマンドを作成してゆきます。

IJiD_Menu6

主な組合せのマクロ部分AutoCAD LT のカスタマイズと同様ですが、下記のようになります。

初期設定 A1-S200 (縮尺が1/200で作図領域がA1)

^C^C_LIMITS;0,0;168200,118800;_rectang;0,0;168200,118800;_setvar;dimscale;200;;textsize;600;;ltscale;200;;userr1;200;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A1-S100 (縮尺が1/100で作図領域がA1)

^C^C_LIMITS;0,0;84100,59400;_rectang;0,0;84100,59400;_setvar;dimscale;100;;textsize;300;;ltscale;100;;userr1;100;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A1-S50 (縮尺が1/50で作図領域がA1)

^C^C_LIMITS;0,0;42050,29700;_rectang;0,0;42050,29700;_setvar;dimscale;50;;textsize;150;;ltscale;50;;userr1;50;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A1-S20 (縮尺が1/20で作図領域がA1)

^C^C_LIMITS;0,0;16820,11880;_rectang;0,0;16820,11880;_setvar;dimscale;20;;textsize;60;;ltscale;20;;userr1;20;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A1 縮尺入力 (縮尺は任意入力、作図領域がA1)

^C^C_setvar;userr1;\_LIMITS;0,0;$M=$(*,$(getvar,userr1),841),$(*,$(getvar,userr1),594);-insert;BORDER;0,0;$(*,$(getvar,userr1),841);$(*,$(getvar,userr1),594);0;_setvar;ltscale;$M=$(getvar,userr1);;textsize;$M=$(*,$(getvar,userr1),3);_setvar;dimtxt;3;;dimscale;$M=$(getvar,userr1);;dimgap;0.5;;dimtad;1;;dimdec;1;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^CZOOM;A;

-(区切り線)
※ 区切り線は「初期設定」を右クリックして表示されるメニューから挿入できます。コマンドの選択を容易にする区分として活用すると良いでしょう。

初期設定 A2-S200 (縮尺が1/200で作図領域がA2)

^C^C_LIMITS;0,0;118800,84000;_rectang;0,0;118800,84000;_setvar;dimscale;200;;textsize;600;;ltscale;200;;userr1;200;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A2-S100 (縮尺が1/100で作図領域がA2)

^C^C_LIMITS;0,0;59400,42000;_rectang;0,0;59400,42000;_setvar;dimscale;100;;textsize;300;;ltscale;100;;userr1;100;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A2-S50 (縮尺が1/50で作図領域がA2)

^C^C_LIMITS;0,0;29700,21000;_rectang;0,0;29700,21000;_setvar;dimscale;50;;textsize;150;;ltscale;50;;userr1;50;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A2-S20 (縮尺が1/20で作図領域がA2)

^C^C_LIMITS;0,0;11880,8400;_rectang;0,0;11880,8400;_setvar;dimscale;20;;textsize;60;;ltscale;20;;userr1;20;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^C_ZOOM;A;

初期設定 A2 縮尺入力 (縮尺は任意入力、作図領域がA1)

^C^C_setvar;userr1;\_LIMITS;0,0;$M=$(*,$(getvar,userr1),594),$(*,$(getvar,userr1),420);-insert;BORDER;0,0;$(*,$(getvar,userr1),594);$(*,$(getvar,userr1),420);0;_setvar;ltscale;$M=$(getvar,userr1);;textsize;$M=$(*,$(getvar,userr1),3);_setvar;dimtxt;3;;dimscale;$M=$(getvar,userr1);;dimgap;0.5;;dimtad;1;;dimdec;1;_CHPROP;L;;LA;Defpoints;;^C^CZOOM;A;

全部入力できたら、一旦ここで、カスタマイズを保存しましょう。

まず、[適用]ボタンをクリックし、カスタマイズ実行を待ちます。
引き続き、[OK(O)]ボタンをクリックしダイアログボックスを閉じます。

IJCAD 作図画面右上の「スタイル」のプルダウンで「メインメニューとリボン表示」または「クラシックインターフェース」に設定します。

プルダウンメニューの右端に「MyTool」が追加されていることが確認できるでしょう。
今回はここまでです。

次回は IJCAD 2013 に「寸法記入」、「線分系」のメニューを追加していきます。
次回更新は8月9日(金)を予定しています。

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メニューカスタマイズのノウハウを駆使して開発した「AutoCAD LT」 対応の建築・設備設計支援ツール『CustomARCH LT』がAutoCAD LT 2014に対応致しました。
製品詳細については下記でご紹介しています。

CustomARCH LT 建築

CustomARCH LT 電気設備